今春、ファーストアルバムを発表し、一躍名前を知らしめた世界の終わり。自分達で作り上げたライヴハウス「club EARTH」を中心に活動するなど、バンドというより運命共同体のような趣のある彼ら。メインステージでサカナクションがライブをしている中、リハーサルを行なう。紅一点、キーボードの藤崎がサカナクションの楽曲を軽く披露するなどサービス精神旺盛。サカナクションのライブが終わり、花火が打ち上げられる。ATMCにいる観客は、世界の終わりのライブの始まりを告げる合図を受け取ったかのように喜ぶ。深瀬のキーボードソロによって、「青い太陽」が鳴らされる。
ドラム、ベースレスながらDJ LOVEのサウンドベースは響き渡り、とにかく大きな大きな音が観客を呑みこんでゆく。ポップなメロディーにエレクトロニカ要素も混ざり、DJ LOVEのヴォコーダーボイスが良いアクセントなる。
3曲目「世界平和」の曲中、ヴォーカル深瀬が「神様 私たちの世界に平和を」とひとこと語る。その言葉に涙ぐむ観客も...。彼らと同じ年代や年下の年代にとって、世界の終わりはエネルギーでもありセラピーでもあるように思えた。世界の平和という運命共同体は観客を巻き込み、また新たな運命共同体を作り上げようとしている。4曲目では11月3日発表の両A面シングルから「天使と悪魔」を披露。ラストは軽快なポップナンバー「インスタントラジオ」、観客たちは飛び跳ねる。ギターの中島がMCで、こう語りかけていた...、「夏の終わりに世界の終わり」。今年のRUSH BALLは、こうして幕を閉じた。
いよいよ、今年の『RUSH BALL』も大トリへ! そして、それは今年一番の大抜擢&サプライズ(!?)だったと言えるのではないだろうか? その大役を承るのは、今やロックシーンをリードするひとつの指針となったと言える新鋭・サカナクション。
ステージの左右に配されたスネアの大陸的なビートとSEが絡み合う、ドラマチックにしてパーフェクトな幕開けを飾ったサカナクションのステージ。「トリはサカナクションだ~用意はいいか!?」と、山口(vo&g)が開戦の火蓋を切れば、広大な泉大津フェニックスの隅々に至るまでが、瞬時にダンス天国に! 『21.1』『明日から』『Klee』と、間髪入れずに叩き込まれるダンスビートに数々に、オーディエンスが思うがままに身体を揺らすその様は、まさに圧巻にして壮観!
そして、ここからがヤバい流れ。聴き覚えのある"あの"シンセのイントロが流れるや、会場は自ずとクラップの海に。緑のレーザービームが闇に覆われた天空を縦横無尽に駆け巡り、アドレナリンが分泌されまくった"クラブ・フェニックス"のフロアに投下されるのはご存知、『ネイティブダンサー』! 続いてもうアガるしかないイントロから爆発した大ヒット曲、『アルクアラウンド』!! さらにそのままのビートで流れ込むのは、トドメの最新シングル『アイデンティティ』!!!! 徹底的にアゲまくり、踊らせるダンスマスターに、思うがままに扇動されるオーディエンスたち。デビューしてまだ数年ながら、緻密さと熱さを兼ね備えたステージングには、貫禄すら感じる。
「まずは『RUSH BALL』のこのステージのこの時間に出してくれたGREENS、そしてここにいる皆さん、ありがとうございます。3年前はATMCのトリで、その後はこっちのステージにきて、そして今年...ホントに感謝しかありません。実は僕ら"オオサカナクション"は(笑)、フェスのトリを勤めるのが初めてで。それが『RUSH BALL』でよかったです!」と感謝の思いを告げた山口は、そしてこうも続ける。「音楽シーンが元気がなくなってきて、落ち込んだことともあったけど、でも、今これだけの人が目の前にいてくれるなら、大丈夫だと思いました。もうすぐ夏も終わるけど、ここに来てくれてありがとう!」
最後に披露されたのは、名曲『ナイトフィッシングイズグッド』。『RUSH BALL』と音楽シーンに確かな未来を感じさせたサカナクションのステージは、盛大な花火と共に幕を降ろした。
同世代のthe telephonesやThe Mirraz(ミイラズ)と並び、ライブハウスシーンで高い評価を得るQUATTRO(クアトロ)。オアシスや、クーラ・シェイカーなど、名だたるビッグアーティストたちのオープニングアクトも経験してきた彼らが、満を持してATMCに登場! 時刻は夜8時と、すっかり夜の闇に包まれ、どこかシリアスなムードが漂う中、なぜか列を作って行進する (サザエさんの有名なエンディングシーン風!) ように現れた彼ら。更には、ボーカルが「8時だヨ?」とお茶目に問いかけると、オーディエンスもすかさず「全員集合!」と返す息のぴったりさに会場は一転、和やかムードに包まれる。
そんな楽しいやりとりを経ながらも、ライブパフォーマンスに厚い信頼を得る彼ららしく、ひとたび音を鳴らせば一気に大観衆の耳をさらっていく。ブルースやカントリー、オールドロックに、QUATTROらしい"いま"を振りかけた絶妙なグルーヴ。キッズからロックオヤジのウケも抜群であろう、その心地よさとは相反し、体ごともっていかれそうな凄まじい音圧で、ATMCには一筋縄ではいかないグッドミュージックのシャワーが降り注がれていく。
中盤では盟友・the telephonesの石毛(vo)が乱入し、ヒゲダンスを交えた(笑)、ナイスなパフォーマンスでオーディエンスを沸かすサプライズもあり、会場はこの上なくハッピーな空気に! その盛り上がりはラストまで留まらず、メインステージでも音が漏れ始めると、ボーカル・岩本の「向こうの音量の方が大きいよ~! もうちょいいこうか」との言葉に、大団円に向けて最後の力を振り絞り、踊りつくすオーディエンスたち。
全てを出しつくし、でも涼しい顔で放つサウンドは小粋で爽快、しかもワールドクラスの景色も知る彼らとあって、これからのQUATTROの動向から目を離すことはできない! そんな次代のライブハウスシーンの光を見たひとときで、『RUSH BALL 2010』いよいよファイナルへ走り出します!
一昨年のRUSH BALLで初登場を果たし、数々の国内外の大型フェスを渡り歩いてきた世界標準のステージで圧倒したBOOM BOOM SATELLITES。白昼から夜に時間を移しての登場となった今回は、彼らのダンサブルな持ち味がより映えるライティングもフルに駆使して、ロック色の強かった前回よりもより陶酔度の高いステージングで若いオーディエンスたちを魅了した。
前半は今年にリリースされた最新アルバム『TO THE LOVELESS』からの楽曲も交えつつ、シンセを多用したダンス・ミュージック色の強いノリで暗闇に包まれた会場を徐々に巨大な野外ダンス・フロアへと塗り替えていった。心地良くギャラクティックなシンセが壮大に舞う長いイントロ部分から、アッパーな4つ打ちビート、そしてエモーショナルなギターと歌が重なりくる展開で、クラブ・ミュージックとしてもロックとしても極上のグルーヴを叩き出す彼らならではの世界は今回も健在。中盤には、幻想的なメロディを持ったスロー・ナンバーも余裕たっぷりに挟んで、ダンサブルなビートが効いていなくもハイ・レベルなロック・バンドである点を改めて再認識させてくれたのも印象的だった。
そして、後半はハード・ロッキンなギターをより前面に押し出してのロック度全開のノリに転じ、ラストは彼らの代表曲にしてもはRUSHでもアンセムと化した「KICK IT OUT」へ。ソウルフルな女性ボーカルをサンプリングしたイントロから歓声が上がり、曲が中盤にさしかかる頃には会場後方までもれなく手を挙げて踊る一大ダンスフロア状態に。まさに本領発揮な貫禄のステージだった。
地元、関西は奈良出身のバンド。バンド表記をlostageからLOSTAGEにして3人編成になってからは初となるRUSH BALL参戦。最近では、twitterのイラストアイコンをヴォーカルの五味が作成して人気が出たのも話題に。そんな予想外の追い風もある結成10年目、もはやベテランの彼ら。予定時刻より30分経ってのライブ開始なだけに、待ちに待った観客たちからSEが鳴るやいなや歓声が起きる。そのSEをかき消すかのように、ギターのつんざき。そこに甲高い声で歌詞が機関銃のように発せられていく。
轟音は夜空に吸い込まれていき、観客は彼らに吸い込まれていく。同年代の多くのバンドから一目置かれ孤高の存在とも言えた彼らだが、今の3人がLOSTAGEだという絶対的な本人たちの自信を感じる。LOSTAGEとなり3人となった、その名も「LOSTAGE」という今年の6月に出たアルバムから、立て続けに「ひとり」、「断層」、「カナリア」と3曲披露される。存在は圧倒的...。
1曲挟み、ラストナンバーの前に五味が話し出す。「一個だけ言いたい事があるんで言わしてもらうと...、来年はあっちのステージに出たい!」。盛大な拍手が起きる。この日のステージを観た観客は全員思ったはずだ、早くメインステージで観たいと。そして鳴らされたナンバーはデビューミニアルバムから「P.S.I miss you」から「手紙」。最後に原点を見せてくれて、堂々と終えた彼ら。絶対的に、来年はメインステージで観たい。
灼熱の泉大津フェニックスも日が傾き、美しい夕景が広がるベストなシチュエーションには、満を持して『RUSH BALL』初出演となったthe HIATUSが登場! 途端に広大な会場の方々から、観客が一斉にステージ前へと走り出す。「『RUSH BALL』はじめまして! theHIATUSです!!」(vo&g・細美武士)と、泉大津のオーディエンスにファーストコンタクトを交わした5人に、ならし運転の必要はナシ。赤い照明と夕暮れ空の美しいオレンジを身にまとった彼らは、冒頭からフルスロットルのバンドサウンドを放出! ダークネスなイントロをmasasucks(g)の蒼いレスポールが奏でれば、ウエノコウジ(b)が天高くベースを突き上げる。佇まいだけで既に絵になる歴戦のメンバーたちによるケミストリーに、泉大津フェニックス全体に自然発生的にハンドクラップが広がっていく。
「初めて来た俺たちを温かく迎えてくれてありがとう! 今日は楽しく過ごすと約束してくれよ~。最後までよろしく!」との細美の弁に、会場を覆いつくす拳で応えるオーディエンス。そして「意外と大阪の人ってシャイなのかい? 行こうぜ大阪!」と雄叫びを上げれば、それに呼応するかのように会場の空気が爆発! 堀江博久(key)の奏でる美しいピアノの音色が空に吸い込まれ、バラードでは絶唱と共に音の渦が巻き起こる。一転、柏倉隆史(dr)のビートに扇動された、ノックアウト必至のド迫力のサウンドに圧倒される...曲ごとにドラマチックにステージを彩るライブは、まさに鳥肌の連続だ。
余分なものはいらない。全身全霊で音をぶつけた5人は、『RUSH BALL』に確かな足跡を残してステージを後にした。
直前に行われていた、Dragon Ashの盛り上がりが伝染したかのような、ATMC。満を持して登場したのは、メンバーのキャラも(ファッションも!)全く違う、個性的なガレージロックバンドのMONICA URANGLASSだ。
「シャル・ウィ・ダンス?」としきりにvo&synの68が呼びかけた通り、会場をダンスホール、パーティースペースに一変させる痛快無比なダンス・チューンを連発した。サンプリング、打ち込み、ループを多用しながら、ドラムスなどの生楽器を絡み合わせるユニークな楽曲アプローチはオリジナリティ満点。客席にマイクを向け、コール&レスポンスで会場との一体化を図りながら、グイグイ踊る輪を広げていく。数少ない幼児が肩車されながらも笑顔で踊っている姿が微笑ましい。
ちょうど彼らの出演時は、夕暮れの真っ最中。暮れかかる陽光が自然の照明となっていたのが特徴的だ。'80年代ダンスミュージックやニューウェーヴに少なからず影響を受けたと思われるサウンドは、懐かしくもあり、新しさも感じるのが不思議。
彼らの演奏でオーディエンスが激しく踊りまくり、そのために巻き起こる砂埃が自然のスモーク状態となっていたのも見逃せない。ある種のトランス状態へと誘い込む、めくるめくダンス・グルーヴ。一気に6曲を披露。彼らの熱いパフォーマンスの終了とともに、ちょうど陽が落ちたのも仕込みだった!?...と思わせる、そんな見事なライブだった。
入場規制を設けるフェスなら観られなかったかも!? なほどの人・人・人! 今か今かと期待で胸を膨らませた大観衆がこれでもかと前へ前へと詰め掛ける中、続きましての登場は、『RUSH BALL』といえばのこのバンド。お待たせしました、日本のミクスチャー・ロック界の雄、Dragon Ash!!
「♪RUSH BALLLに咲いたフリーダム」(曲・『運命共同体』)「♪大阪調子はどうだ~」(曲・『La bamba』)と、次々に披露される楽曲の歌詞を巧みにアレンジしたイキなはからいは、百戦錬磨の彼らならではの手腕。ハードコア、オルタナティブ・ロック、ラテン、ヒップホップ・・・と様々なジャンルの音楽を吸収し変幻自在に融合された強靭なサウンド、抜群の安定感を誇るバンドアンサンブルが、フェス初心者も楽しめる所以。う~ん、お見事! キレキレのダンサーをなぞらえて、あちこちで踊るオーディエンスに「かかってこいオラ~」「ぶっとんじまえ!」というハンパない煽り(笑)が! それにも負けじと拳を上げ全身全霊で応える観客たちとの振り切った激しいキャッチボールに、ステージの熱量は増すばかりだ。
「『RUSH BALL』は年に1回。俺らも年に1回だけ、ロックスターになった気分で演奏できるので楽しみにしています! そして、ロックバンドがかっこいいっていうことを改めて歌った曲を友達と作りました」とKjが紹介したのは、山嵐のSATOSHIと、GNz-WORDのKO-JI!タイトルも直球の『Rock Band』を、しなやかな歌声で放つ彼ら。さらに「ミクスチャーロックは好きですかーー!?」と畳み掛け、これぞDragon Ashといわんばかりの『Fantasista』で 瞬く間にクライマックスへ!
『RUSH BALL』も終盤が近づく中、やはりイベントの顔とでも言うべき彼らは、本日一番の沸点高いステージで、ロックキッズたちに改めてその存在感を刻み付けたに違いない。これぞDragon Ash、そしてこれぞ『RUSH BALL』といえる、オーディエンスとの高い一体感で満ちたステージングには、惜しみない拍手が贈られた。
ハイ・スタンダード~ウルトラ・ブレインを経て、今年の3月には初のソロ名義作『THE WORLD iS YOURS!』を発表した難波章浩-AKIHIRO NAMBA-。THE WHOの名曲「マイ・ジェネレーション」をSEに登場すると、「OK、ナンバ行くぜ」と挨拶代わりに短いMCを挟んで最新ソロ作から「JUMP!JUMP!JUMP!」を。シンプルな3ピース編成で奏でるアッパーな音に、ステージ前方は早くも砂けむりが巻き上がる盛り上がりをみせた。
続いて「輝く日々」、テクノ・ポップ的なシーケンスも交えてウルトラ・ブレイン以降を感じさせる「メロディアスレボリューション」と、最新作からの楽曲をCDよりもロック度の増したノリで聞かせると、ここで一旦MCへ。大阪初参戦のギタリストと「(RUSH BALLの雰囲気は)アメリカのWARPED TOURみたいだな」と意味深な会話を交わした後に、難波が「ま、オレはいつまでも金歯ってことで。いくゼ!」と煽ると、次に奏でられたのは、なんとまさかのハイスタの名曲「STAY GOLD」!!! 後方のオーディエンスたちも、イントロから歓声を上げてキター!とばかりに前方へ次々と押し掛け、奇跡のアンセム降臨にパニック状態寸前の盛り上がりをみせた。終盤も、ディズニー映画『リロ&スティッチ』の挿入歌「Hawaiian Roller Coaster Ride」のパンクなカバーも交えつつ、難波らしい音で最後まできっちりと締めた。
しかし、本編を終えた後もアンコールが鳴り止まず、再び難波がひとりでギターを持って再登場。そして、暮れかけてきた太陽に合わせるかのように弾き語りで歌い始めたのは、なんと再びハイスタの「Brand New Sunset」。思わず涙を流すファンも多く、サプライズ感満点の選曲で最後の最後まで沸かせてくれた。
何かが起こりそう...。そう思うのも無理はないだろう。あれだけ強烈な直射日光が照りつけていたメンステージの上空。いつの間にかグレーの雲が覆い、いつにわか雨が降ってもおかしくないようなそんな気配の中始まったのが、ストレイテナーのステージだ。
緊張感漂う空気をぶち破るように、屈指のパワーギターロック・バンドのパフォーマンスがスタート。豊かな音楽的才能を見せつけるかのような、レンジの広いサウンドアプローチにオーディエンスもぐいぐい引き込まれていく。ギターからキーボードに楽器を変えたホリエによる、ファンタジックなメロディが際立つ「Man-like Creatures」から、分厚くダイナミックな世界観が圧巻の『REMINDER』に至るまで、無用な煽りは一切排除。淡々と、しかし深く響くロックの真髄。人差し指を突き立てた腕をビートに合わせて動かすオーディエンスたち。
「RUSH BALLはホームだと思ってます。ずっと挑戦者の気持ちでステージに立ってきて、いよいよ僕らも古株になってきました(笑)。でも、これからも挑戦者のつもりでがんばっていきます!!」
その言葉でまたまた会場は大盛り上がり。エッヂの効いたツインギターの音色を前面に、一貫して高いテンションのまま展開したステージ。いつの間にか、グレーの雲も上空を離れていて、それもロックの神様の粋な演出かと思わせるほどだ。彼らの懐の深さをこれでもかと見せつけつつ、ロックの深みにも触れさせてくれる、そんなライブだった。
客席を見渡すと、若いロックキッズたちはもちろんのこと、老若男女幅広い層が彼らのステージに集っている。メロコアやハードロック、パワーポップなど多彩なジャンルを飲み込んだミクスチャーロックを奏でる、4ピース・TOTALFATだ。自然とハンドクラップが沸く光景に、彼らがどれだけ多くの人々に求められているかがわかる。
かと思えば、ド頭、『Invention~Good morning, my treasures~』にも関わらず、いきなりクライマックス感たっぷりに、盛り上がりの頂点を突き抜けるパフォーマンスをお見舞いする彼ら! ギュインギュインうなりをあげるツインギター、時折挟まれるシャウトなどハードな表層を持ちつつも、心を瞬時に奪い去るメロディアスかつキャッチーな音世界は、思わず拳を振り上げ、踊らずにはいられなくさせる底知れぬパワーに満ちている。
「みんなのおかげで、すっげえ景色が見れています。肩車して見るもよし、背伸びして見るもよし。はたまた自分のバンドでこのステージ(ATMC)、あのステージ(メイン)に立つもよし! 僕らも全力を尽くして頑張ります! 全員の声を大阪に響かせようぜ!」と、Jose(g)の粋な言葉に、オーディエンスのテンションも一気に沸点へ!
いつの間にか前方では大きな円でのサークルモッシュが出現し、かと思えば後方では肩を抱き合い揺れる人々、松葉杖の足を押して楽しそうにジャンプを重ねる(!)オーディエンスまで、思い思いにTOTALFATの音世界にのめりこむ客席の姿は幸福感で満ち満ちているようだ。最後までテンション高く貫き通したTOTALFATはもちろん、オーディエンスの熱量の高さには驚かされると同時に、バンドと観客間のあたたかな絆を感じさせてくれるひとときだった。
マッド・カプセル・マーケッツのベーシストにしてブレイン的存在として活躍してきた、TAKESHIのソロ・ユニットとして08年に始動したAA=。他のメンバーも個性的なソロ活動を展開する中で、ボーカルにBACK DROP BOMBの白川、ドラムにはRIZEの金子、ギターにマッドの初代ギタリストだった児島を迎えての強力カルテットで構成されたAA=は、あらゆる世代をネジ伏せる圧倒的な爆音サウンドで格の違いを示した。
デジタル・ハードコアなSEをバックに登場すると、最初期のマッド~を思わせる2トーンの衣装で現れたTAKESHIは、目元を黒く塗り、スクリーン越しにオーディエンスたちを挑発。レイヴィーなシンセから爆音ベースをノイジーにかき鳴らして硬質なグルーヴに突入する「GREED...」で幕を開けると、白川が明快なメロディーを歌う曲後半には早くも彼らのペース。タイトル通りに、アッパーなビートとノイジーな音塊、そしてパンク的な連呼で80年代インダストリアルなノリを今に蘇らせたような「INDUSTRIAL」、続いて高速ブレイクビーツに過剰なエフェクトを施したベースが強烈な「BASS JUNKEES」など。エクスペリメンタルでニュー・ウェイヴ色が濃かった頃の最初期のマッド~をアップデートにて今に蘇らせたような音は、原点回帰的であると同時にダンサブルなロックが当たり前となった近年のシーンに誰も鳴らせそうで鳴らせない音をしっかりと射抜いているようでもあった。
終盤はデビュー曲の「PEACE!!!」で場内全体にVサインを掲げさせるなど、さすがのステージ運びで一体感を高め、ラストの「I HATE HUMAN」では容赦なく激ラウドなノリを炸裂させた。確かなキャリアに裏打ちされた筋金入りのエクストリーム・ノイズ・テラーな音の連打に敬服するばかりの濃厚セットだった。
UKロックにオルタナ、パンク、R&R・・・・etcを見事にブレンドしたサウンドが持ち味。
次なる登場は、ジワジワと人気急上昇中のロックバンド、[Champagne](シャンペイン)です!
ステージ前のリハーサルではウルフルズや洋楽のカバーを披露。海外での生活経験というグローバルなバックグラウンドを持つボーカル&ギターとベーシストを擁するだけあり、流暢な発音はさすが。さらに「アリガトゴザイマース!」なんてカタコトの日本語まで交えてユニークにオーディエンスにアピールする余裕っぷりからは、ステージ前の緊張なんてどこ吹く風。それどころか新人らしからぬ存在感すらも(笑)。そして・・・SEの「5・4・3・2・1~」のカウントにあわせてオーディエンスもカウントの大合唱~!! ググーッと一気に前へ前へと人が押し寄せ大歓声が飛び交う中、なんと、ドラムは海パン(黒ビキニ)(笑)、ボーカルは浴衣姿とすっかり本番!? 衣装にチェンジし登場だ。
洋楽好きも邦楽好きをも納得させるジャンルレスでダンサブルな楽曲、英語詞と日本語詞がミックスされたハイブリットなリリックが押し寄せるたび、オーディエンスの熱気もアップ、アップ。ギターのリフもバシバシ決まり、コーラスも絶妙。メロディアスなメロディがきちんと軸としてあるからか、爆音なのに聴きやすくノリやすい。「はじめまして~、シャンペインです」とボーカルが語るように、たぶん初めて彼らを見たであろう人たちもたくさんいたことだろう。なのに、みんなが拳を上げて楽しめるんだから、この明快さとポップさはすごい!
最後に「さわやかな歌をプレゼントしたいと思いますので、みんなさわやかに乗っちゃってくださ~い♪」と披露された『Don't Fuck With Yoohei Kawakami』の爽やかなイントロ部分と、でもやっぱり熱くて高揚感のあるロックサウンドに思い思いに踊り暴れるオーディエンス。たっぷりとアドレナリンを放ち、ライブハウスさながらの熱気を感じさせてくれた彼ら。目も耳も釘付けにさせた圧巻のパフォーマンスに、只者ではない可能性を感じずにはいられなかった。
昨年夏発表されたアルバム「A beautiful greed」の1曲目を飾るインストナンバー「A beautiful greed(introduction)」がSEで鳴る。ボーカルの大木がピアノを演奏しているのだが、曲中、ダンスビートが刻みだし、厳かな世界観を醸し出していたSEが、一気に場内をあげるSEへと早変わりしたところで、3人が登場。大木がギターをカッティングし始め、ドラムが叩き込まれた瞬間、観客が一斉に拳を突き上げる。同じくアルバム「A beautiful greed」の2曲目「±0」でステージは始まった。「オイオイオイ!」というフェスらしい掛け声も起きていく中、3曲目「FREE STAR」では美しきメロディーが鳴り響き、ACIDMANの楽曲のふり幅を改めて感じる。
5曲目「ALMA」では始める前に、大木が繋がりの大切さを宇宙の話を交えて語る。そして、夜の歌が好きな事も明かし、「今日はカンカン照りですけど、夜空だと思ってください」と銀河をイメージした、そのナンバーを披露。激しく体を揺らしていた観客も、この時ばかりは静かにリズムをとりだす。中には芝生に座って、目を瞑り、気持ちよさそうにリズムをとる観客もちらほら。先ほど楽曲のふり幅を改めて感じると書いたところが、またもや、そう強く思わされる。続く6曲目、「1,2,3,4!」という大木のカウントと共に激しい音がまた鳴り始める。歪むギター、そこに涼しい風が吹き、暑さを忘れさせてくれる。衝動と静寂にどっぷりと浸かる事ができた時間であった。
「結成してずっと、自分たちの練習場所で、こんなフェスに出る妄想をしてました!!」
その言葉通り、初々しくも真摯なパフォーマンスを見せてくれたのが、4ピーズバンドGalileo Galileiだ。昨年末に開かれた某ライブイベントでは、「緊張して手足が震える...」なんてコメントも発していたが、この間メジャーデビューも飾ったことで培った経験がそうさせるのか、この日のライブは実に堂々としたものだった。
さすがに注目度は抜群。北海道稚内出身ということで、本来はアウェイの中のステージとなってもおかしくはなかったが、出演するATMCは奥の販売スペースまでオーディエンスが詰めかけるほど。熱の入ったパフォーマンスで一気に会場はホームスタジアムへ変わる。繊細な感性から生まれるセンチメンタルなサウンド、そして情感豊かなボーカル表現力にオーディエンスは引き込まれていく。ビートに合わせてコブシを突き上げ、会場一帯となった手拍子。デビューシングルの『夏空』、『ハマナスの花』など、この日披露したのは4曲だけだったが、エモーショナルなメロディライン、叙情的な歌詞世界、何より音楽に対してまじめな姿勢が随所に感じられる熱いパフォーマンスに会場は沸いた。演奏とともに口ずさむファンの姿もチラホラ。限られたライブ時間ながらも、ダイナミックなサウンド志向性に将来性を感じさせつつ、非凡ぶりを十分に発揮したステージ。「ありがとうございます!」との短い一言を残しステージを去った彼らに、あたたかな拍手が続いたのは言うまでもない。
「2年くらい前から楽しみにしていました!」と満面の笑みで語るのは、'08年の『RUSH BALL』ATMCの大トリを務めた、FRONTIER BACKYARDだ。どこかドリーミーで底抜けにポップネスなFBYサウンドに、会場は瞬時にダンスフロアに! サンサンと降り注ぐ太陽の下でFBYと踊る楽しさったら、他には考えられないくらいだ!
それにしても、今日の彼らはいつも以上に振り切っているように感じられる。それも初っ端から! 直前に出演したthe telephones風に「アーユーディスコ?」なんておどけるTGMX(vo)は、この上ない極上スマイルでステージ中を駆け回り、クールなイメージのKENZI(g)も、始まって間もないうちから客席へ降り立ち弾き暴れ、ほほえみをたたえた福田"TDC"忠章(ds)の安心感あるドラミングもいつも以上に冴え渡っているよう! ぎゅうぎゅうのライブハウスで見る彼らのパフォーマンスの楽しさはもちろんだが、今日のような大勢のオーディエンスと共有するビッグパーティは、今までに体感したことのない爽快でヘルシーなトリップ感を与えてくれるのだ。
また、突然the telephonesの岡本が登場し、無表情でパラパラを披露(笑)するサプライズ(RUSH BALL ROOMで行われたTALK SESSIONに来た方はわかるはず!)や、サポートを務めるTA-1(RIDDIM SAUNTER)、松田"チャーベ"岳二の2人も客席へ飛び込み、中からオーディエンスを盛り上げるチカラ技など、一時も目が離せないめまぐるしい展開に! この宴がいつまでも終わらないでほしいと願うかのように、鳴り止まないFBYコールの中、ラスト『missing piece』でまさかの展開! それまでのピースフルな空気すらもいい意味でぶち壊すかのような振り切りまくったパフォーマンスに、オーディエンスのテンションも最高潮へ!ダイブし客席を走り抜けたTA-1と松田に、KENZIもステージ袖へ消え、最後は叫びながらドラムセットを分解しだすTGMXと、構わず叩き続ける福田だけを残したステージで、壮絶な終幕へ。全てのパワーを放出しつくしたかのような、怒涛の35分間。初のメインステージに賭けた彼らのエネルギーに満ちたステージは、楽しさだけでない、圧倒的なパフォーマンス力を感じさせてくれたひとときだった。
本番前の音合わせの段階にもかかわらず、体を揺らしながら集まるオーディエンス。
「もうちょっとしたらやるよー」の掛け声に大歓声の大拍手。ダンサブルなディスコ・ロックサウンドで大観衆を躍らせた、the telephonesのステージ後にATMCに登場は、プログレッシヴ・ジャム・バンドrega!!
「おまたせー!」の雄たけびのもとステージに上がるやいなや、テントを支える鉄柱によじ登り「ぶっとべよー」と吠えるギター。手拍子を煽るベース、ステージ上を跳ねる跳ねるメンバーたち。それに応えるようにコブシを突き上げ、同じく雄たけびを上げるオーディエンス。やっぱり夏フェスはこうでなくっちゃ! はじめっからその場にいる全ての人がテンション高めです(笑)。
ポストロック、プログレ、オーガニック、ジャズ、テクノ・・・etcとジャンルにとらわれず、ただただ厚みのある踊れるグルーヴを抜群の安定感と躍動感で聴かせる彼ら。ツインギターの掛け合いもお見事。あふれる感情をそのまま音にのせたような爆音なのに、一方的に突き放されるようには聴こえない。4人が放つ音と音とが手をつないでいるような、繋がりのある温かいサウンド。決してバラバラじゃないんだなー、これが。「夏をおわらせる・な!」「ラララ・ラッシュ ボール!」とところどころに効果的にはさむ掛け声にみんなも笑顔で大レスポンス。さすがライブバンドだけあり、盛り上げどころも心得てます。
「もっとバカになったらいいんやで~」と煽りつつも放たれた「あと1曲です」の言葉には、「えー!!」と悲鳴に近い反応が。やっぱりメンバーはその反応がうれしかったようで「もっと言ってくれたら出来るかもしれへんな(笑)」なんて笑いながらも、きちんとシメ。スモークばりの砂ぼこりが舞うカラッカラに乾いた地面の上のオーディエンスを全力で踊らせたrega。マイクスタンドや機材を振り回してのエンディングまで終始フリーでエネルギッシュなパフォーマンスを魅せ、鳴りやまない拍手の中ステージを後にした。
昨年、トリを務めたATMCを、満員御礼の"真夜中のディスコ"に変化させたthe telephones。今年は満を持してのメインステージに登場。SEと共に観客から手拍子が起き、フロアは人で溢れ返る。"灼熱のDISCO"開店準備出来上がり。メンバー全員が、色とりどりのアフロをかぶって登場!
「絶対、DISCOにしようぜ! Are You Disco!?」というヴォーカルの石毛による呼びかけで、幕は切って落とされた。1曲目「D.A.N.C.E to the telephones」で、灼熱のDISCOで踊り狂う観客たち。みんなが、それぞれの自分の好きなように踊り狂う。シンセサイザーの岡本が所狭しと走り回り、観客を煽る。気がつくと岡本の衣装が、銀色から金色に変わっている...、こういう小ネタを散りばめる彼らは本当に憎い!
4曲目「I WannaDie」はアイリッシュサウンドがダンスミュージックと融合したような独特のビートで、より観客はサウンドに耳を澄ませ踊りまくる。曲中、手拍子が起きる中、泉大津の上空を飛行機が横切る。改めてロケーションの雄大さを感じ、こんな広大な大地をディスコに仕上げる彼らのステージングにも感動してしまう。
ラストナンバー「Love&DISCO」、観客はみんな「Love&DISCO」と口ずさみ、満面の笑み。大団円を迎える中、石毛が叫ぶ...、「ライブハウスにも良いバンドはたくさんいるから、ライブハウスにも来てください!」。フェスで多くの観客を思う存分楽しませ、ホームグランドであるライブハウスにも導こうとする心意気。全てに愛を感じた彼らのステージ、ライブが終わっても余韻に浸る観客たちが多くいた。
白昼のATMC。ちょうど正午を過ぎたところで登場したのは、神戸のアンダーグラウンド・シーンからじわじわと全国区の注目を集めつつある若き5人組=踊ってばかりの国だった。
後期のフィッシュマンズを思い出させるような浮遊感のあるシンセをSEに登場すると、1曲目の「バケツの中でも」から彼らならではのフラワー・サイケ・ロックが周囲の空気を一変させた。フォーク・ギターを鳴らしながら、エコーのギンギンにかかったマイクを通して故・忌野清志郎ばりの歌声で一度聴いたら忘れられないインパクトを放つボーカル。そして、調子っぱずれギリギリのところで踏みとどまりながら、歌のバックでも弾きまくるリード・ギターなど。サウンド的には王道とも言えるアーシーなギター・ロックなのだが、何かが違う。そして、崩壊寸前のギリギリのバランスのままで進んでいくような危うさを孕んだアンサンブルが、同世代バンドには明らかにない独特のノリを放っていた。
3曲目には白昼夢を誘うようなレイジーなスライド・ギターからメロウな名曲「僕はラジオへ」。ラストの「テカテカ」では、ゆったりとした前半から徐々にフリーキーかつ爆音度を高めてバンドの孕むマッドさを露にし、曲終盤にはボーカルがマイクを持って客席に飛び降りていってエモーショナルな幕切れに。
最初期のくるりや、もっと遡ってボ・ガンボスあたりの系譜を今に引き継ぐような、突然変異の正統派。関西という土壌から再びこのようなバンドが現れたことを喜びたい。
「RUSH BALL 2010」は始まったばかりというのに、すでに体感温度は軽く40度超(いや、50度超!?)と思える程熱くなったステージに登場したのが、Northern19。コブシを挙げてステージに姿を現したメンバーを見るや、続々とファンが小走りにスタンディングエリアに向かっていく。新潟出身のスリーピースバンドは、一気に会場をヒートアップさせるナンバーをノンストップで連発。哀愁感のあるメロディ、疾走感の漂うパンクロックビート。加えてダイナミックな楽曲構成力...というバンドの持ち味を存分に生かしたナンバーで構成したステージは、オープニングステージを務めたsleepy.abのセンチメンタルなステージとは一転、ガチガチのロックビートを炸裂させ、いかにも「これぞ夏フェス!!」と言えるような、熱いパフォーマンスを繰り広げていく。
「ものすごい1日にしようぜ、よろしく!!」
「炎天下過ぎる炎天下、いいロックにまみれて最後に最高!!と言えるようにしよう!!」
その言葉にコブシを挙げて応えるオーディエンス。この日彼らが披露したのは、今年3月にリリースしたアルバム『SMILE』を始め、1stアルバム、2ndアルバムからもオリジナルナンバーをピックアップ。限られた持ち時間ギリギリいっぱい使って、その個性を見せつけた。曲間にはアドリブで「六甲おろし」を聴かせるなどサービス精神旺盛なところも見せ、ファンを喜ばせた彼ら。「盛大なロックンロールショーだから、ロックンロールを心と体に最大限に取り込んで盛り上がろう!」。その言葉通りに五感を刺激するに十分なステージだった。
sleepy.abが爽やかな風でRUSH BALLのスタートを告げてくれたかと思えば、ATMCでは爆風吹き荒れる、青森出身の4ピース・LOCAL SOUND STYLEのステージが幕開けに!
今か今かと大勢のオーディエンスが期待を膨らませる中、大喝采に包まれ登場した彼ら。一気に砂けむりが巻き起こり、みるみるうちに黒山の人だかりに! 海辺の香り漂う、夏にぴったりの1曲『Carry On』で、初っ端からエンジン全開だ。美メロ&心つかむエモーショナルな音世界で、踊らず騒がすにはいられない!
「朝イチだけど、ガッツリ行こうぜ!」というボーカル・荒関の声に、モッシュ&ダイブの嵐で応えるオーディエンス。既に一体感・一気にホームと化すATMCに、自然と体感温度は増していく。続く『Everyday Means All』では、自然とシンガロングが沸き、アーティストもオーディエンスも、みんなひっくるめて共有する音楽の歓びに、この上なくハッピーなムードが出現!
「グッドモーニング! 暑いね。見て、この青い空。緑もあって、こんな素敵なところでライブができるなんて本当に楽しい!」という子供のようなキラキラした笑顔で語るベース・黒瀧に、客席のテンションも上がる一方! かと思えば「...しかしなぁ、ステージはまだ寒いんだよね。お前らが悪いわけじゃないんだけど...もうちょっとあっためてほしいんだわ!」と煽る煽る! そんな彼らの楽しい挑発にオーディエンスも負けじと体全体をゆらし、拳を突き上げ応戦! 演者と客席の心地よいキャッチボールには、ライブの醍醐味が見えるようだ。「最後はメインステージに負けないよう、大きな声でいこうぜ!」と叫ぶ荒関の呼びかけに、会場もエネルギーを出し尽くしたかの如く、極上の笑顔で踊る。ATMCのトップバッターという大役を見事務め上げ、オーディエンスも余力ゼロ!?といえるほどの熱いパフォーマンスで魅せたLOCAL SOUND STYLEのステージで、ATMCも開幕です!
最高の天気に恵まれた今年の『RUSH BALL』。記録的な猛暑となった今夏、この日も例外にもれることなく、朝から暑い。そんな泉大津フェニックスの会場にトップバッターとして登場したのは、北の大地・札幌出身のsleepy.ab(スリーピー)だ。
2年ぶり、そして前回より大きなステージに登場した彼ら。柔らかく柔らかく、やさしくやさしく・・・。一曲目の『sonor』から成山(vo)の空気を含んだような耳なじみのより歌声が心と体に染み込んでゆき、浮遊感漂う繊細かつ丁寧なメロディ、意外(!?)に長いキャリアを持つ彼らならではの安定感のある強靭なリズムが、これからの暑い熱い一日を一緒に過ごす観客たちの高揚感を、まるでクレッシェンドのごとくじわじわと盛り上げていく。
野外ならではの心地よい風にのり、心にそっと寄り添うように、歌い上げられていく珠玉の楽曲。少しアップテンポでダンサブルな楽曲『flee』、日常の普通であることが幸せなんだろうと、言葉ではなくメロディでそう心にキラキラと美しい情景を描かせる『君と背景』、そして「みなさんにとってもいい一日になりますように・・・」とラストに披露された『メロディ』に至るまで。静かなる高揚感をたっぷりと味あわせてくれた4人。穏やかでありながら感嘆のため息があちこちから聞こえてくるほどのドラマチックなsleepy.abのステージで、いよいよ『RUSH BALL 2010』がスタートです!

サカナクション
QUATTRO [ATMC]
BOOM BOOM SATELLITES
LOSTAGE [ATMC]
the HIATUS
MONICA URANGRASS [ATMC]
Dragon Ash
難波章浩 -AKIHIRO NAMBA- [ATMC]
ストレイテナー
TOTALFAT [ATMC]
AA=
[Champagne] [ATMC]
ACIDMAN
Galileo Galilei [ATMC]
FRONTIER BACKYARD
rega [ATMC]
the telephones
踊ってばかりの国 [ATMC]
Northern19
LOCAL SOUND STYLE [ATMC]
sleepy.ab